トマト好きですか?
小さい頃は、酸味とか、皮の感じとか、「つぶつぶが…」という理由であまり好きではなかった方も多いのではないでしょうか?
でも、いつからか食べられるようになって、サラダやピザとかグラタンにはなくてはならない食べ物になってるんですよね。不思議ですよね。成長するに連れて、それくらい食事にとっては必要不可欠な野菜になっているのがトマトだと思うんですが、トマトの栄養素ってご存知ですか?
もしかして…、トマト=リコピンみたいになってないですか?(笑)
まぁ無理はないですよね。実際トマトと言えば、リコピンってなるくらい認知度は高いと思います。ですが、トマトにはリコピン以外にもたくさん栄養素があるんですよ!
今回は、「トマト=リコピン」というイメージを脱却するべく、トマトの栄養素をいろいろと観ていこうと思います。
トマトの栄養素について
トマト(可食部100g)の栄養素は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」12頁)
水分:94.0g
ナトリウム:3mg
カリウム:210mg
マグネシウム:9mg
リン:26mg
ビタミンA,βカロテン当量:540μg
ビタミンB1:0.05mg
ビタミンB2:0.02mg
ビタミンB6:0.08mg
葉酸:22μg
ビタミンC:15mg
食物繊維総量:1.0g
この中でも他の野菜や食材よりも、トマトが優れている栄養素についてみていきます。
リコピン
「トマト=リコピン」というイメージを払拭したいんですが、それでもリコピンを説明せずにはトマトは語れないので、まずはリコピンについてみていきましょう。
そもそもリコピンって何か知っていますか?
「トマト…じゃないの…?」って感じでしょうか?それも無理ないですよね。だって、トマト=リコピンですからね(笑)
リコピンというのは、カロテン類の一種で、赤い色素に含まれる色素成分なんです。トマトで言えば、皮の部分に含まれるということですね。なので、赤さが自慢のトマトには、リコピンがたくさん含まれているんです。
では、リコピンにはどんな効果が期待できるのでしょうか?
聞いたことがあるかもしれませんが、抗酸化作用ですね。強い抗酸化作用です。
簡単に言えば、身体の老化を抑えてくれるってことです。体内には、活性酸素という食べた物の燃えカスのような物があります。これが身体を老化させるんですが、リコピンはその活性酸素の働きを抑えてくれるんです。その結果、老化だけではなく、ガンや動脈硬化などの予防にも効果があるとされているんです。
また、リコピンは、モロヘイヤやかぼちゃ、ごまなどに含まれるビタミンEと一緒に摂取することで、より強い抗酸化作用を発揮するので、ぜひアンチエイジングなどに今日のある方は、試してみてください!
β-カロテン(ビタミンA)
β-カロテンは、体内に入ることでビタミンAとして働いてくれるようになります。これは動物性の食品に含まれるレチノールという成分と同じなんですが、レチノールと違い、β-カロテンはビタミンAとしての利用効率が若干劣っているんですが、抗酸化作用などの作用もあるのが特徴です。
ビタミンAは、目や視覚の健康を守る重要な働きもしますし、皮膚や粘膜などの外界との接触部分の形成にも必要です。なので、欠乏すると目や皮膚にも影響がでてきますし、粘膜が弱くなるので感染症にも弱くなってしまいます。
また、β-カロテンはレチノールに比べ、ビタミンAとしての利用効率が劣ると書いたんですが、調理法や摂取する人の健康状態によっても変わってきます。調理法で言えば、カロテン類は脂溶性なので、油に溶けやすく吸収もよくなるので、炒めたり、オリーブオイルなどをかけて食べることがオススメです。
カリウム
カリウムは、塩分の主成分であるナトリウムとバランスを取り合う関係にあります。そのため、体内でナトリウムが過剰になれば、尿や汗として排出を促進してくれ、高血圧の予防や筋肉の動きをコントロールしてくれたりします。
また、体内の余分な水分を排出させてくれるので、多くの女性が悩むむくみの解消にも良いとされています。
カリウムは、どの食材にも多かれ少なかれ含まれているので、基本的には不足することはありませんが、偏った食生活をしていると不足してしまう栄養素です。不足してしまうと高血圧になったり、筋肉にエネルギーが補給できなくなり、筋力低下などを起こしてしまいます。
一方で、食べ過ぎても問題はありません。ただし、腎臓に問題を抱えており、排泄がうまくできない場合は、胃腸障害や不整脈などの高カリウム血症を起こす可能性もあるので注意が必要です。
ビタミンC
ビタミンCは、熱や光に弱いとされるんですが、トマトの場合弐煮汁も一緒に使っているので、ほとんで損なわれません。
そして、ビタミンCの働きは、コラーゲンを作ることを促進したり、強い抗酸化作用があるとされています。なので、不足してしまうと、血管や皮膚、骨が脆くなってしまうこともあります。この辺の作用は、β-カロテンやリコピンとも似ているので、トマトの持つ抗酸化作用の力には頭が下がりますね(笑)
また、ビタミンCは水に溶けやすい水溶性の性質を持つので、過剰摂取しても過剰症を引き起こすことはあまりありません。ですが、だからといって取り過ぎると気持ちが悪くなったりもするので、適度に摂取しましょうね。甘いプチトマトだとついパクパク食べてしまうので、ちょっと気にした方が良いと思います。
クエン酸
クエン酸と言えば「酸っぱ」って感じですよね。梅干しとか、レモンにも含まれることで有名でしょうか?あの酸っぱさが苦手てて、トマトが嫌いって方も中にはいらっしゃいますよね。でも、その酸っぱさが身体に良かったりもするので、たまには摂るようにしましょうね
クエン酸は、糖のエネルギー代謝に非常に役立ちます。なので、糖尿病の方が気にする血糖値の上昇を抑えてくれるんですよ!また、筋肉痛の原因とされる乳酸を排出させる働きもあるんです。運動した後は、トマトやレモンを摂って、乳酸をさっさと排出すると良いですね!
ケルセチン
ケルセチンは、ポリフェノールの一種で、トマトでは皮の部分に多く含まれています。トマト嫌いの中には、あの皮が嫌いという人もいますが、あの皮はカラダには良い効果がたくさんあるんですよ!
主な働きとして、ビタミンCの働きを助けるんですが、その他にも血管をしなやかにしてくれたり、強い抗酸化作用を持っているんです。
そのため、血流の改善やコレステロール値の低下、動脈硬化をはじめとした生活習慣病の予防に効果が期待できるんです。
グルタミン酸

グルタミン酸はうま味成分として有名かもしれませんが、意外にもトマトに含まれているんですよ!それも果肉ではなく、タネの部分です。皮と同じく、「あのプチプチしたタネ、ぐにゅぐにゅした部分が嫌い…」という人は結構多いですよね。でも、あの部分にこそうま味も栄養素もあるので、ぜひ毛嫌いせずに食べて欲しいです!
そのグルタミン酸は、うま味だけではなくてカラダにとっても良いこと尽くめなんですよ!
一つ目は、脳を活性化する効果ですね。なので、認知症の予防にも効果はありますし、記憶力や学習能力などの向上にも良いとされています。ただし、食べ過ぎると脳細胞に障害を起こす可能性もあるので気をつけましょう!
もう一つは、アンモニアの解毒効果と利尿作用ですね。「アンモニアってなんやねん!」って感じだと思いますが、脳の機能に悪さをするやつなんです。そんなアンモニアを無毒化して、尿として排出するのを促進してくれるんです!
他には、脂肪の蓄積を抑えてくれたり、肌のダメージを抑えてくれて、肌の水分が逃げないように防いでくれたりもするので、女性には嬉しい効果がたくさんあるんです!
13-oxo-ODA
京都大学の河田照雄教授のグループが、肥満マウスを使った実験において、脂質代謝異常の改善に有効な成分として13-oxo-ODA(13オキソODA)をトマトから見出しました。
現時点で、人間に対しての効果は発表されていませんが、マウス実験においては高脂肪食を取った際の血中や肝臓中での中性脂肪の上昇を抑えたとの結果が出ています。また、エネルギー代謝が進む指標である直腸温の上昇も確認され、脂肪燃焼が進むことも見つかっています。
もし、人間にも同じような効果があれば、肥満症や生活習慣病などの予防にも繋がりますし、今後の研究に注目したいところです。
トマトのカラダへの効果まとめ
トマトの栄養素から見るカラダへの効果をここでまとめたいと思います。
生活習慣病の予防
老化防止(アンチエイジング)
疲労回復
むくみ解消
脳の活性化(脳に害のあるアンモニアの解毒と排泄促進)
脂肪燃焼
皮膚や肌の健康維持
トマトだけでもかなりの効果を得られますよね!特に女性には肌のこともありますし、むくみや脂肪燃焼など嬉しい効果尽くしですね!
また、ガンや血管疾患など生活習慣病の予防にも効果があるので、生活習慣病が気になる年齢の方には、欠かさずに食べて欲しいですね!
トマトの保存方法
完熟していて色も真っ赤な場合は、ポリ袋やラップに包んで、冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう!
もし、少し青かったり、未完熟の場合は、完熟するまでカゴなどに入れておき、常温のまま置いておきましょう!そうすると自然に熟していくので、完熟したらポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室にいれましょう。
また、冷凍する場合は、水洗いをした後、しっかりと水気を拭き取り、カットせずにそのままラップをしてください。さらに袋に入れて空気をできる限り抜いてから冷凍庫に入れるようにしましょう。カットしてしまうと、その後使いにくくなるので注意しましょう!
トマトの選び方

どうせ食べるなら新鮮で、美味しいトマトが食べたいですよね?
では、どういうところを見てトマトを選べば良いのか?ということですが、以下のポイントを抑えてトマトを選びましょう!
真っ赤な色をしている(黒ずんでいると痛んでいる証拠です)
色にムラがない
ずっしりと重みがある
皮にムラがなくて、ハリがある
ヘタの緑が濃く、ピンとしているもの(新鮮な証拠です!)
という感じです。
どうしても袋に入っていると見分けが難しいですが、光に当ててみたり、実際持ってみたりするとわかると思うので、ぜひ美味しくて新鮮なトマトを選んでくださいね!
ただし、触り過ぎると、体温でトマトが傷んでしまうこともあるので、何度も触ったり、強く握ったりするのは辞めましょう!
トマトのオススメの食べ方(随時更新)
ラタトゥイユ

ラタトゥイユはかなりオススメですね!トマトだけじゃなくて、夏野菜を一挙に採れますし、温めても、冷しても美味しいのが嬉しいですね!
そのまま食べてももちろん美味しいですが、僕としては冷製パスタにして食べるのが好きですねー。ラタトゥイユ自体にはベーコンとか入れないですが、ベーコンを別で焼いて、パスタに一緒に混ぜると美味しさは倍増です!
作り方はこちらから!(【夏野菜を使おう!】簡単ラタトゥイユの作り方!切って、炒めて、煮込むだけ!)
ドライトマト
ドライトマトは、お菓子の感覚で食べられますし、ドライにしてあるので、水分がない分、うま味も酸味も、もちろん栄養素もギュッと凝縮されているので、めちゃくちゃオススメです!
最近はドライフルーツをはじめ、専門店もたくさんあるので、ぜひ気になる方は一度食べてみてください!
ただし、糖度も凝縮されているので、食べ過ぎると太ってしまったり、生活習慣病にも繋がるので、食べ過ぎには注意しましょう!
トマトを食べる上での注意点
リコピンとかβ-カロテンなど、いろんな良いところを併せ持つトマトですが、そんなトマトでも注意をする必要あります。
ここでは、トマトに関する注意点について書いていきますね!
お弁当に入れる際はヘタを取りましょう
トマトをヘタの部分をつけたままお弁当に入れちゃってませんか…?
「え…、ダメなの?だって、色和えが…」って方もいらっしゃいますよね?
でも、子どもさん、奥さん、旦那さん、彼氏、彼女のことを考えてのお弁当であれば、ヘタは取った方がいいですよ。というのも、ヘタをつけたままだと雑菌が繁殖してしまうんです。最悪の場合、食中毒になってしまうので、必ず取りましょう!
食べ過ぎには注意
夏野菜特有の、身体を冷す作用はきゅうりやゴーヤに限らずトマトにもあります。冷え性や妊婦の方は食べ過ぎると身体が冷え過ぎてしまうので、食べ過ぎには注意しましょう!
甘いトマトは糖質を気をつけよう
酸っぱいトマトが苦手という方のためだったり、フルーツ感覚でトマトを食べて欲しいからという理由で、最近はあま〜いトマトが多いですよね。
ホントにフルーツみたいでパクパク食べてしまいます…。
でも、甘いってことはそれだけ糖質が多いということなんですよ。なので、食べ過ぎると太りますし、生活習慣病の方にはあまりオススメはできないんですよね。特に糖尿病の方ですね。
トマトは野菜だからといってついつい食べ過ぎることがあるかもしれないですが、野菜だから良いわけではなくて、それは食物繊維もたくさんで、糖質が控えめだからなんですよ。甘いトマトには糖質がたくさん含まれているので、食べ過ぎには気をつけましょう!
トマトジュースを飲むなら生のトマトを食べるべし!
ついつい野菜不足のときに、手を出してしまうのがトマトジュースや野菜ジュースですよね?
でも、どうせ野菜不足なのであれば、トマトジュースよりも生のトマトを一つ食べるようにしましょう!というのも、トマトジュースの糖質って結構多いんですよ。もちろんトマト本来の糖質もありますが、飲みやすくするために砂糖も入っていますし、他にも余分な添加物がたくさん入っています。
なので、もしトマトジュースを飲むのであれば、他の食事や飲物も考えないといけません。それってめんどくさいですよね?だったら、トマトをそのまま食べるようにしましょう!まぁ難しいときに、トマトジュースという最終奥義を使いましょう。
さいごに
トマト=リコピンというイメージは払拭できたでしょうか?
トマトの栄養素はリコピンだけじゃないんですよ!ホントに凄い栄養素がたくさんあるんですよね。でも、甘いトマトは糖質もあるので、やっぱり食べ過ぎには気をつけないといけないですね。
トマトは、炒めても、煮込んでも、干しても、そのままでもおいしいので、美味しい食べ方を探すのも良いですよね!
関連記事:【夏野菜を使おう!】簡単ラタトゥイユの作り方!切って、炒めて、煮込むだけ!
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。