ピーマンって野菜の王道のはずなのに、トマトやナス、きゅうりに比べて、栄養素についてはあまり話されないですよね。
理由はともかくとして、もっとピーマンの良さを知って欲しい。ズッキーニほどの知名度が低いわけではないのに、良さが知られていないのはなんとも言い難いです。
なので、今回はピーマンの栄養素についてお話ししようと思います。
ビーマンの栄養素について
ピーマン(可食部100g)の栄養素は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」16頁)
水分:93.4g
カリウム:190mg
マグネシウム:11mg
リン:22mg
β-カロテン(ビタミンA):400μg
ビタミンK:20μg
ビタミンB1:0.03mg
ビタミンB2:0.03mg
ナイアシン:0.6mg
ビタミンB6:0.19mg
葉酸:26μg
ビタミンC:76mg
食物繊維総量:2.3g
この中でも他の野菜や食材よりも、ピーマンが優れている栄養素についてみていきます。
β-カロテン(ビタミンA)
全体的に栄養価の高いピーマンですが、その中でも野菜界トップクラスなのが、このβ-カロテンなんです。β-カロテンは、体内に入るとビタミンAとしての働きをしてくれるんですよね。
β-カロテンとしての役割としては、強い抗酸化作用があり、がん予防に有効だとされています。
では、ビタミンAはどうなんでしょうか?
一つは、目や視覚の健康維持に効果を発揮してくれます。目の内側にある網膜の材料になったり、うるおいを保つなど、目を健康にしてくれるためのサポートをしてくれます。
もう一つの役割として、ビタミンAは皮膚や爪、粘膜の細胞の材料になってくれます。日々新しくなっている皮膚や爪にとっては欠かすことができない栄養素ですし、感染症から守るための粘膜の材料でもあるので、不足すると感染症にかかりやすくなるなどのリスクがあります。
ビタミンC
一昔前のピーマンと比べると、ビタミンCは少しですが減ってきているようですが、依然として野菜界ではトップクラスです。(ビタミンAといい凄いですね)青臭さをなくすとともに、ビタミンCも減ってきたみたいで、これは仕方がないというしかないですかね…?
では、そんなビタミンCにはどんな効果が期待できるのでしょうか?
一つは、コラーゲンの生成を促進してくれる働きをしてくれます。なので、美容効果もありますし、風邪の予防などにも効果が期待できるんですよ。逆に、ビタミンCが欠乏すると、血管や皮膚、骨が脆くなってしまい、肌がカサカサになったり、風邪を引きやすくなったりします。
また、悪玉コレステロールの酸化を防いでくれる強い抗酸化作用もあるので、動脈硬化などの血管疾患を防いでくれる効果もあります。
また、タバコに含まれる有害物質を身体から出してくれる効果もあり、タバコを吸う大人の方にはかかせないビタミンです!
ピラジン
ピーマンの青臭さの原因はこのピラジンです。これピーマンの果肉の部分ではなくて、種の部分なんですよ。なので、ピーマンの種をしっかり取れば、あの青臭さもかなり抑えられますし、子どもも食べてくれるかもしれません…。
ですが、ぜひ食べて欲しいです。種を!タネをです!
なぜかと言うと、このピラジンには血行促進の効果があるからなんです!(タネには果実以上のカリウムも含まれているので、むくみや高血圧の予防にも期待できます!)
血行促進の効果があるので、血管の疾患の予防や、冷え性、体内の新陳代謝の改善などにも効果が期待できます!
ね、ピラジン凄いくないですか?
青臭いのは嫌かもしれませんが、ピーマンの栄養素が一番詰まった部分でもあるので、嫌じゃなければそのまま食べるようにしましょう!
クロロフィル
クロロフィルとは、緑色の天然色素である葉緑素のことです。簡単に言えば、ピーマンの緑色の原因はクロロフィルということですね。
ピラジンと同じく、クロロフィルも凄いんですよ。
一つは、強い抗酸化作用を持ちます。なので、アンチエイジングやガン予防にも効果が期待できます。もう一つは、胃腸の中の老廃物を排出するデトックス効果も期待できるんですよ!
なので、女性の方にはもってこいの栄養素だと思います!
ルチン(ビタミンP)
ルチンもビタミンPもあまり聞き慣れない栄養素ですよね?
ビタミンPといっても、ビタミンAやビタミンCなどのようなちゃんとしたビタミンではないんですよ。ビタミン様物質とも呼ばれ、ビタミンと似たような働きをすることからビタミンPと呼ばれているんです。
ルチンはビタミンPの中の一つで、ポリフェノールの一種です。効果としては、血管強化作用や強い抗酸化作用を持っていると言われており、血管疾患をはじめとする生活習慣病の予防に効果があるとされています。
また、ビタミンCの働きをサポートする働きもになっています。毛細血管を強化してくれるため、脳卒中や歯茎からの出血などの出血性の疾患に効果があるとされています。
水に溶けやすい水溶性のビタミン様物質なので、過剰摂取してもあまり問題はありません。
ピーマンのカラダへの効果まとめ
では、一度ピーマンのカラダへの効果をまとめてみたいと思います。
- 目や視力の健康維持
- 皮膚や粘膜の健康維持(免疫力アップ)
- 美容効果
- タバコの有害物質の排出促進
- 血行改善
- 生活習慣病の予防
- 血管疾患の予防
- 老化防止
- デトックス効果
という感じです。
こうやってみてみると、若い人にも良いんですが、少し年を重ね、生活習慣病などのさまざまな病気を心配している方にこそ嬉しい効果がたくさんありますよね。老化防止、生活習慣病の予防、免疫力アップなど。
もちろんピーマンだけではどうにもなりませんが、ピーマンも健康への一役をになっているので、嫌いでなければ積極的に食べるようにしましょう!
食べ合わせからみるカラダへの効果
ピーマン自体は栄養素は豊富ですし、カラダにも良いこと尽くめなんです!
ですが、他の食材と一緒に食べるとよりその効果を発揮してくれるので、ここではその食べ合わせからみるカラダへの効果をご紹介します。(プラス以降の食材を一つでも組み合わせればOKです!)
- 動脈硬化:ピーマン+かぼちゃ・玉ねぎ・しらす干し
- 血行促進:ピーマン+牛肉・にんにく・そら豆
- 肝機能向上:ピーマン+めかじき・カレー粉・切り干し大根
- 免疫力アップ:ピーマン+ひよこ豆・モロヘイヤ・アーモンド
- 美肌:ピーマン+鶏手羽・トマト・きのこ
- 老化防止:ピーマン+ししとうがらし・ししゃも・鶏肉
- ストレス解消:ピーマン+豚肉・昆布・米
- 骨粗しょう症:ピーマン+いわし・リーフレタス・チーズ
という感じです。
見た感じ女性にとって嬉しい効果が多いように感じますよね。血行促進もそうですし、美肌、老化防止(アンチエイジング)、骨粗しょう症なんてまさにです!
「青臭くてちょっと…」と言う方も、調理法や処理の仕方で青臭さは多少抑えることができるので、ぜひ実践してみてください。
美味しいピーマンの選び方
ピーマンは鮮度が落ちると、苦味が強くあったり、中のタネが黒ずんみはじめ、そこから痛みはじめます。なので、できるだけ新鮮なピーマンを選びたいものです。
新鮮で美味しいピーマンの選び方はこんな感じです。
- 果皮にツヤやハリがあるもの
- ヘタの色が鮮やかで黒ずんでいないもの
- ヘタの周りがへこみ、肩が盛り上がっているもの
ピーマンは袋に入っていても、表面のシワや痛みがわかりやすいです。なので、まずは表面から判断して、そのあとヘタなどを確認してみると良いと思います。
少しでも新鮮なピーマンを選べば、苦味も多少は少ないですし、苦手な方でも食べやすいと思います。
ビーマンの保存方法
ピーマンは水気に弱いです。少しでも水気があると、痛みが進みやすくなります。なので、まずは丁寧に水気を拭き取ることが大切です。
水気を拭き取ればそのままポリ袋に入れても良いんですが、より徹底するのであれば小さな穴が空いている袋に入れると良いと思いますね。そして、冷蔵庫の野菜室に入れて保存しましょう。早く使うことに越したことはないですが、1週間くらいは保存できると思います。
また、ピーマンは一個が痛みだすと、他のピーマンにも伝染してしまいます。なので、少しでも痛みはじめたら、痛んだ箇所を取り除くか、早く使うようにしましょう!
ピーマンの苦味を和らげる方法
先ほども、ピラジンの項目で書いたんですが、徹底的にタネを取ることですね。タネに限らず、タネにくっついている白い部分も徹底的に取ると、かなり苦味は軽減されると思います。ししとうやパプリカについても同じですね。
ですが、あのタネにこそピーマンの良さは詰まっています。
無理して食べろとは言いませんが、せっかくピーマンを食べるのであれば、やはりあのタネの部分と、白い部分は取らずにしっかり食べることを推奨したいです。
嫌いなら無理しなくていい!
僕は子ども頃一番嫌いな野菜はピーマンでした。ナスも嫌いでしたけど、ピーマンのが苦くて嫌いでした…。
多くの子どもにとって、ピーマンはただ苦いだけで、何が美味しいのかもわからないですし、いくら栄養素が豊富だからって何がいいのかもわからなくて、あんまり好きにはなれないですよね…。
なので、無理して食べなくても良いと思いますし、食べさせなくていいと思います。
たしかに親からしたら、野菜嫌いになりそう…って思うかもしれないですが、たぶん大丈夫ですよ。大人になるにつれ味覚は変化しますし、あの苦味が美味しく感じられるようになります。あなたもそうじゃなかったですか?
なので、やっぱり無理はしなくていいと思います。
それよりも、好きになった時に、ピーマンのおいしい食べ方を教えてあげられるようにいろいろレシピを練っておきましょう!(笑)
さいごに
ピーマンの栄養素って凄いですよね。
トマトとかナスももちろん凄いんですが、ピーマンの凄さは引けを取りません。まさに野菜界の重鎮です。王様です。
夏が旬で畑で採れ過ぎて大変なことになっているので、ちょっとピーマンの消費方法でも考えてみます(笑)
ではでは
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。