ナスと言えば?と聞かれて、最初に何を思い出しますか?
紫?漬物?揚げナス?焼きナス?ナスカレー?
トマトと言えば、リコピンが出てくるんですが、ナスはなんとなく食べ物を思い出してしまいますよね?
でもですね、ナスもトマトに負けず劣らず凄い栄養素を持っているんですよ!
今回は、ナスの栄養素をもっと知ってもらおうと思い、ナスについて書こうと思います!
ナスの栄養素について
ナス(可食部100g)の栄養素は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」30頁)
水分:93.2g
カリウム:220mg
カルシウム:18mg
マグネシウム:17mg
リン:30mg
鉄:0.3mg
マンガン:0.16mg
ビタミンB1:0.05mg
ビタミンB2:0.05mg
葉酸:32μg
ビタミンC:4mg
食物繊維総量:2.2g
ナスは、見ていただいてもわかりますが、「これだ!」というような特筆すべき栄養素がたくさんあるわけではありません。ですが、幅広い栄養素を平均かそれ以上兼ね備えているので、栄養バランスは非常に良い食材なんですよ。この中でも他の野菜や食材よりも、ナスが優れている栄養素についてみていきます。
ナスニン
ナスニン、なんともナスのために造られた感満載の言葉ですよね。
これ何の仲間かわかりますか?
答えは、多くの人が聞いたことがある「ポリフェノール」なんですよ。ナスに含まれるナスニンは、あのかの有名なポリフェノールの一種なんです。
ポリフェノールというと、ワインとかぶどうとかを想像するかもしれないんですが、そのポリフェノールの一種がナスにも入ってるっていうとちょっと不思議な感じというか、驚きですよね!
では、ナスニンにはどんな効果があるのでしょうか?
一つは、目の疲労や視力の回復に効果が期待されています。これは、ナスニンがアントシアニン系色素のポリフェノールの一種だからなんですよね。アントシアニンというとブルーベリーが有名ですが、あのアントシアニンです。ブルーベリーは目に良いって認知されていますが、ナスも同じ効果が期待できます!
ブルーベリーはちょっと高くて、酸っぱいですが、ナスなら安くて、味にもクセがないので、食べやすいと思います!
もう一つは、強い抗酸化作用ですね。なので、がん予防にもなりますし、血管を綺麗にしてくれて動脈硬化や高血圧を予防してくれると言った効果も期待できます。
ナスの紫の色が嫌って言う方もいるんですが、あの紫だからこそナスの良さはあるんですよね!
カリウム
そして、夏野菜の中でも比較的カリウムを多く含むのもナスの特徴なんですよね。100gあたりだときゅうりやピーマン、トマトを凌いでいるので、ナスも侮れないやつですね。
カリウムは、ナトリウムとバランスを取り合う関係にあるミネラルです。なので、ナトリウムが過剰になれば、ナトリウムを排泄することで、血圧を調節してくれます。
また、筋肉の働きをコントロールしてくれる作用もあり、不足することで筋肉にエネルギーが正常に補給されず、筋力低下や不整脈を起こす恐れもあります。
カリウムは、多くの野菜や果物に含まれているので、毎日バランスよく食べていれば、不足することはありません。ですが、尿として排出されやすいミネラルなので、カフェインを含む物や、利尿作用のある食べ物を食べることが多かったり、大量に汗をかいたりする人は、カリウム不足に注意する必要があります。
暑い夏は、汗をかく機会が多くなると思います。なので、カリウム不足には注意して、汗が多いなーとか、尿が多いなーという感じがあれば、ナスに限らずカリウムをたくさん摂るように意識しましょう!
腎臓機能が低下していない限り、カリウムは過剰に摂取しても排出されるので、それほど心配する必要はありません。万が一腎臓機能が低下している場合は、高カリウム血症や胃腸障害などを引き起こすので、気をつけて摂取するようにしてください。
クロロゲン酸
皮にはナスニンという成分が含まれていましたが、果肉にはこのクロロゲン酸という成分が含まれています。なんと、このクロロゲン酸もポリフェノールの一種なんですよ!
なので、クロロゲン酸にも強い抗酸化作用があり、最近では糖尿病や心血管疾患の予防にも効果があるとわかってきているみたいです!
ですが、このクロロゲン酸、アクの正体なんですよね…。ナスを調理する時には、アク抜きをしますよね?もちろんアク抜きをしないと切り口が褐色に変化してしまうので、必要ではあるんですが、極力水に浸す時間は短くしましょう!すぐに調理するのであれば、アク抜きは必要ありません!
できる限り、アク抜きの時間は短時間に留め、このクロロゲン酸を逃さないように気をつけましょう!
ナスのカラダへの効果まとめ
では、ナスのカラダへの効果をまとめたいと思います。
- 生活習慣病の予防
- 老化防止
- 夏バテ防止
- 目の疲労・視力の回復
という感じです。
ナスは、他の野菜にくらべるとややカラダへの効果は少なく感じます。ですが、血液を綺麗にしてくれたり、血圧をコントロールしてくれるため、生活習慣病の予防には効果が期待できますし、目や視力の健康維持には欠かすことができないナスニンも含まれているので、意外と侮れないんですよね。
また、他の食材に比べると油との相性が抜群なので、脂質をしっかりと摂取したいと思っている方には最適な食材だと思います。
ナスの選び方
いくら美味しくても、いくら栄養素が豊富でも、新鮮なナスを選びたいですよね!ナスの選ぶポイントはこんな感じです!
- ヘタの切り口がパサパサに乾いていない(乾いていると鮮度が落ちている証拠です)
- トゲの部分が触ると痛いくらい尖っている
- 重みがある
- 皮にツヤやハリがある
他の野菜とほとんど同じなんですが、トゲが特徴ですね!ヘタの下の部分にあるトゲですね!あのトゲちょっと痛いくらいの方が良いんですよ。
ぜひ、トゲに注意して選んでみてください!
種類別オススメの食べ方
ナスは、他の野菜に比べても種類も豊富ですが、種類に応じて食べ方が違うことが特徴ですよね。ここでは、ナスの種類に応じて、どんな食べ方が向いているのか?ということについて、できる限りスーパーや八百屋さんで買うことができる種類のナスをピックアップして書こうと思います。
米なす
米なすの特徴はなんといても、大きさと丸っこさですよね。普通のナスが日本人なら、米なすは名前の通り米国人のナイスバディのような感じでしょうか(笑)それくらいボリューミーで、ジューシーさが特徴ですよね。
では、どんな食べ方が向くのか?というと、はやり米なすの肉厚感とかジューシー感を活かせる料理だと思います。たとえば、代表的なのは、グラタンとか田楽ですよね。
僕は、バター焼きをして、味噌を付けて食べるのが一番好きですね!簡単ですし、たくさん食べられるで結構オススメです!ただし、食べ過ぎると脂質が取り過ぎになるので注意は必要ですが…。
長なす
長なすは、名前の通り長いナスです。一般的なナスに比べて、ひょろひょろしているのが特徴ですね。そして、長いだけではなくて、一般的なナスに比べて、少しやわらかいというのも長なすの特徴です。
なので、オススメの食べ方としては、焼きなすや煮物ですね。また、漬物や田楽にしても、普段食べているなすとは違った歯ごたえで楽しめると思いますね。
白なす
「こいつ白いけど大丈夫か?」って思うほど、一般的なナスとはかけ離れた色をしている白なす。白いので、ナスニンや葉緑素を含まないのは残念ですが、熱を通すと意外ととろりとするのが特徴なんです。
触った感じは皮が硬めなんですが、果肉は比較的柔らかいですね。一度アク抜きをしたんですが、色が色なので一般的ななすよりは少ないですが、他の野菜と比べるとはやりアクは強いですね。
食べ方としては、とろりとした食感が特徴でもあるので、焼きなすがベストでしょう!
ナスのオススメポイントと注意点
ここからなはナスのオススメのポイントやナスを食べる上での注意点について書いていこうと思います。
油と相性抜群!
ナス自体は低カロリーで、ほとんどが水分なのはご存知の通りだと思います。でも、油の吸収率が異常に高く、油との相性が抜群なんです!
特に、油を使って調理することで、色素成分であるナスニンの流出を防ぐことができるので、見た目も美しいんですが、ナスの栄養素としての良さも保たれるんですよ!
油分をしっかりと摂りたい時には揚げ物にしても美味しいですし、夏バテで食欲がなくなっているときは油でさっと炒めてもいいですし、カレーに入れても良いと思いますね!(ナスカレーはめちゃくちゃ美味しいですよ!)
ですが、カロリー制限をしていたり、食事制限をしている方で、「油はちょっと…」という方は、焼きナスや漬物などにして食べても良いと思います!
食べ過ぎで身体を冷さないように!
「秋なすは嫁に食わすな」なんてことわざがありますが、これ美味しい物を嫁になんか食べさせるなっていう意味だけじゃなくて、涼しくなる秋に身体を冷すような物を嫁に食わすなという意味でもあるんです。
そのくらい昔からナスは身体を冷す食べ物として認知されていたんですね。
なので、暑い夏には身体を冷してくれる食材として最適なんですが、食べ過ぎたり、寒い季節に食べると、冷え性の方や女性、特に妊婦さんには逆効果なので、食べ過ぎや、食べる時期をしっかり見極める必要があります。
美味しくて、カロリーが低くて、栄養素がたくさんあるからといって、食べ過ぎてしまうことはあるかもしれないですが、くれぐれも必要以上に食べ過ぎて、逆効果にならないように注意しましょう!
さいごに
ナスの栄養素は、よく聞く栄養素というよりは、ナス特有のものが多い気がしますよね。ナスニンやクロロゲン酸がその最たる例でしょう。
ナスは、他の野菜に比べていろんな食べ方ができて、調理方法によっても美味しさや栄養素も変わってくるので、ぜひいろいろな食べ方にチャレンジしてみてください!
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。