糖尿病と聞くと「お酒は飲めない」と思う人も多いのではないでしょうか?
もちろん、飲まないに越したことはありません。これは糖尿病の人でも、健康的な人でも同じです。でも、お酒を飲んでストレス発散したり、リラックスしたりしている人も多いことも事実だと思います。
かく言う僕も糖尿病でありながら、お酒を手放せない一人です。
今回は、糖尿病の人がお酒を飲む場合、どんなことを気をつけるべきなのか?どんなお酒なら良いのか?ということに個人的な体験を交えながら、お話しようと思います。
なぜ糖尿病はお酒を控えろと言われるのか?
では、まずなぜ糖尿病と診断されたり、「血糖値が高い」と指摘されると、「お酒を控えるように」、人によっては「お酒を飲んじゃダメ」と言われるのかについて考えてみようと思います。
お酒の糖質によって血糖値が上がるから
お酒には、アルコールだけを使った蒸留酒とアルコールと糖質を含んだ醸造酒があります。蒸留酒は焼酎やウイスキーが、醸造酒はビールや日本酒が代表的です。
糖尿病にとって最も避けたいのは過度な血糖値の上昇です。そのため、血糖値の上昇の原因となる糖質を含んだ醸造酒は控えるようにと言われます。
参考までに、代表的なお酒の糖質量を書いておきます。(100gあたりの糖質含有量)
ビール:3.0〜5.0g(淡色、黒、スタウトなど種類によって差があります)
日本酒:3.0~5.0g(大吟醸、純米大吟醸など種類によって差があります)
赤ワイン:1.0〜1.5g(甘口、辛口によって差があります)
白ワイン:1.0〜2.0g(甘口、辛口によって差があります)
ウイスキー:0g
焼酎:0g
アルコールによって食欲を増進させるから
これはコース料理などで出される「食前酒」をイメージするとわかりやすいと思います。食前酒は、ただ楽しんでもらうためではなく、食欲を増進する効果や食事による胃もたれを防ぐ効果があります。
原理としては、アルコーが胃を刺激することで、胃液の分泌を促すことで、消化を早めるため、食欲を増進させるといことです。
お酒を飲んでいると、いつもよりも食べ過ぎてしまうなんてことがあるのはそのためです。お酒自体は糖質が低くても、お酒によって食べ過ぎてしまうことで、血糖値が上昇してしまうことを恐れるため、「お酒は控えるように」と言われるわけです。
おつまみの塩分、糖質、カロリーの過剰摂取
これはアルコールによる食欲増進とも深く関係しています。
お酒を飲む際、何かしら食事を取ると思います。枝豆やサラダ、冷や奴、漬物などであれば、低下カロリー、低糖質なのでいいのですが、唐揚げやポテトフライ、チヂミなどは脂っぽく高カロリー、塩分多めなので、血糖値が上がることもそうですが、体重増加や血圧上昇などにも繋がります。
もちろん、枝豆やサラダであれば食べ過ぎていいわけでもありません。枝豆には塩が振ってありますし、サラダのドレッシングには脂質や塩分が含まれています。
お酒を控えろと言われるのは、お酒だけに限らず、おつまみからも高血糖や体重増加などが引き起こされるためでもあるんです。
低血糖を起こすことがあるから
食事をせずにアルコールを飲む場合には、低血糖を引き起こすことがあります。
これはアルコールを摂取することによって、肝臓からブドウ糖が血液中に放出されにくくなってしまうからです。また、アルコールによる酔いの症状と、低血糖の症状が似通っている為に、自他ともにわかりにくいという危険性もあります。
また、この症状は主に薬やインスリン注射をしている人に多いので、そういった人は注意が必要です。
インスリンの分泌量・感受性に影響を与えるため
アルコールは、血糖値を下げる唯一のホルモン物質であるインスリンの分泌量や感受性にも影響を与えます。
主な影響としては、インスリンの分泌量が下がること、そして、分泌されたインスリンの効き目が悪くなるという二つです。もちろん人によっても影響度は様々ですが、良い影響がないことはたしかです。
もちろん適度な飲酒はストレス発散など良い影響もありますが、飲み過ぎは決して良い影響は与えません。
糖尿病がお酒を飲んではいけないわけではない
もちろん糖尿病だからといって、「お酒厳禁」というわけではありません。かく言う僕も、先生からはお酒を止められたことは一度もありません。
ただし条件はあります。
- 血糖コントロールができている
- 体重管理ができている
- 飲酒、飲食の制限ができる
当然と言えば当然のことです。血糖値がめちゃくちゃ高いのに、アルコールを飲めば倒れる危険もありますし、最悪意識を失います。
もし、自分がお酒を飲んで良いのかどうかわからなければ、医師に相談するようにしましょう。もちろん、薬やインスリン注射をしている人も一度医師に確認を取った方がいいですね。
糖尿病がお酒と上手に付き合っていくために大切な5つこと
糖質が高いお酒は極力控える
糖質の高いお酒はできる限り控えるようにしましょう。
もちろん絶対にダメというわけではないので、「どうしても今日はビールが飲みたいんだ…」という日は飲みましょう。過度な制限でストレスを溜めるのもよくありません。なので、週に一回、月に一回と飲む回数を決めて飲むようにしましょう。
どのお酒でも飲み過ぎないこと
ビールや日本酒であれば「糖質高いから飲み過ぎないように」と自制ができるんですが、ウイスキーや焼酎だとついつい「糖質低いから良いよね」と飲み過ぎてしまいます。
ですが、前述した通り、アルコールには食欲増進効果やインスリン感受性への影響があります。そのため、糖質が低い焼酎やウイスキーであって、飲み過ぎないように注意しましょう。
ダラダラと長時間飲まない
飲み会でも、家で飲んでいても、お酒ってついついダラダラと長い時間飲んでしまいますよね。でも、飲んでいる時間が長くなると、その分飲む量も、食べる量も増えてしまいます。
なので、「一時間なら一時間」「二時間なら二時間」と飲む時間を決めて、長い時間飲み続けないように注意しましょう。
もちろん、はしご酒は御法度ですよ!(行きたくなる気持ちはわかりますが、そこは我慢しましょう)
食事は質と量をしっかりと考えて食べる
食事は質を取るのか?それとも量を取るのか?をしっかりと考えなければいけません。
揚げ物やチヂミのように脂っこく高カロリーな食事なら少なく抑えるべきですし、枝豆やサラダ、冷や奴のように低カロリー低糖質な食事なら多少食べても良いでしょう。
何を重視して食べるのかは、その時の気持ちやメンツによっても違うと思いますので、ぜひ、質と量をしっかりと考えて食べるようにしてください。
〆のラーメンはダメ!
これは当然です。
飲み会に行った後の「〆のラーメン」食べたくなる気持ちは痛いほどわかります。でも、こんなちょっとしたことで、頭痛や疲労感に悩むのって嫌じゃないですか?それに最悪、失明や足の切断です。
糖尿病だから食べてはいけないというよりも、健康で生きていくならいますぐ「〆のラーメン」はやめましょう!
糖尿病にオススメのお酒と代替できる飲物
最後に、糖尿病の人にオススメのお酒と、お酒の替わる飲物を紹介したいと思います。
蒸留酒
蒸留酒は、なんといっても糖質がないのが良いですね。ただ、醸造酒と違い、純粋なアルコールでできているので、アルコール度数が高いです。
アルコールが高い分苦手な人も多いので、炭酸水や水割りなどで飲むことをオススメします。また、ジンジャーエールやコーラなど砂糖を含んだ炭酸飲料では割らないようにしましょう。
赤ワイン
赤ワインは、醸造酒の中では比較的糖質も低いのでオススメです。また、赤ワインには活性酸素の働きを抑制したり、抗酸化作用を持つポリフェノールが豊富に含まれているので、血液がドロドロになりやすい糖尿病の人には嬉しいお酒でもあります。
もちろん、糖質を含んでいるので飲み過ぎなようにしましょう。グラス1、2杯くらいにしましょうね。
糖質オフ・ゼロのお酒
ビールに限らず、日本酒なども出てきているので、嬉しい限りですね
糖質も一般的なビールや日本酒に比べるとかなり抑えられていますし、最近は技術もどんどん上がっていてかなり美味しくなっています。
ただ、糖質を抑えたり、カロリーを抑える為に、必要以上に添加物を使用しているので、飲み過ぎには注意しましょう。
オススメの糖質オフのビールはこちら>>アサヒ ザ・ドリーム 生ビール
炭酸水
がんばって働いたあとのビール、お風呂上がりのビール。たしかに最高に美味しいです。
でも、そういうときってビールではなく、シュワシュワした飲物を求めているだけのときがあります。なので、一度ビールや発泡酒を炭酸水に変えてみると、「あれ?これでよくない?」って満足することがあるんです。もちろん人それぞれですが、やってみる価値はあります。
炭酸水なら安いですし、飲み過ぎなければ健康にもいいとされているので、ぜひお試しください!
オススメの炭酸水はこちら>>アサヒ ウィルキンソン タンサン 500ml×24本
さいごに
糖尿病の人がお酒と上手に付き合っていく方法について書いてきました。
糖尿病と診断されたり、「血糖値が高い」と言われると、食事やお酒に制限がかかって人生が楽しくなくなるようにも感じます。ですが、診断前のままだと死に急ぐだけです。これを機に体に優しいお酒との付き合い方をしてみてはどうでしょうか?