きゅうりは、ギネスワールドレコーズに「Least calorific fruit(カロリー(発熱量)の最も低い果実)」と記録名で認定を受けているほど低カロリーな野菜です。というのも、水分が約90%以上を占めているからです。
ですが、だからといって栄養素がまったくないということではありません。むしろ、カリウムやビタミンCを豊富に含む食材なんですよ。
そんなほぼ水分のきゅうりの良さと、食べる上での注意点について書いていこうと思います。
きゅうりの栄養素について
きゅうりの栄養素(100gあたり)は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」28頁)
水分:95.4g
カリウム:200mg 太文字
カルシウム:26mg
マグネシウム:15mg
リン:36mg
ビタミンA(β-カロテン):330μg
ビタミンK:34μg
ビタミンB1:0.03mg
ビタミンB2:0.03mg
葉酸:25μg
パントテン酸:0.33mg
ビタミンC:14mg 太字
食物繊維総量:1.1g
この中でも他の野菜や食材よりも、きゅうりが優れている栄養素についてみていきます。
カリウム
カリウムは、ナトリウムとバランスを取り合う関係で、ナトリウムが過剰になっていると、余分なナトリウムの排出(=利尿作用)をうながしてくれます。そのため、腎臓の働きを助けてくれるので、血圧を正常に保つ効果もあります。
また、利尿作用を働かせてくれることで、体内に溜まった余分な水分を排出させてくれます。その結果、むくみの改善や美容にも良いと認められています。
食物繊維
食物繊維は、数字の上では他の食材よりも少ないと言えます。しかし、他の食材に比べて食べる量が多いことや食べる機会が多い、また、好き嫌いも他の野菜に比べれば少ないので、簡単かつたくさん食物繊維が取れるということで、ここに記載させていただきました。
食物繊維は、便のかさを増やして、腸の蠕動運動(腸を動かす作用)を活発化させ、排便を促進してくれたり、生活習慣病の予防にも効果が認められているので、「他の野菜はあんまり食べれないけど、きゅうりなら食べられる」という方には、きゅうりで食物繊維を摂ってもらったら良いと思います!
水分
きゅうりは、一本あたり約100gくらいあるので、水分を90g取っていることと同じと考えても良いでしょう。夏が旬であることはカリウムや水分量を見れば一目瞭然ですよね。
水分を多く含むため、身体の温度を下げてくれる作用を持っています。暑い夏には、きゅうりを食べて体温を下げることが効果的だと言われています。
夏にお祭りや商店街を歩いていると、きゅうりが一本割り箸に刺さって売っていますが、あれはまさに夏の暑さ対策としても良いってことですね。(もちろん原価が安くてよく売れるという考え方もできますが…w)
※ただ、ナトリウムが汗で水分と一緒に排出されることを考えると、きゅうりをたくさん食べることで、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れ、体内のカリウムの濃度が高くなり、高カリウム血症になる恐れもあるので、食べ過ぎには注意が必要です。
ククルビタシン
きゅうりが苦いときないですか?あの苦味の原因になっているのが、このククルビタシンなんです。まぁ聞き慣れないので、言葉は覚えなくていいですよ(笑)主にヘタの部分にあるそうなので、あまり食べる機会はないかもしれないですし…。
でも、このククルビタシンは、抗酸化作用を持っているんですよ!で、がん予防や老化防止にも効果があるとされているんです!あのヘタにこんな効果があったなんて意外ですよね!
まぁ無理に食べる必要はないですが、一応頭の片隅にでも。
ピラジン
きゅうりの苦さの原因はククルビタシンなんですが、青臭さの原因は、このピラジンです。
「きゅうりは青臭くて嫌い…」と嫌がる人もいますが、あの青臭さは体にも良いんですよね…。良薬口に苦しならぬ、良薬口に青しということですね…。
では、どんな効果が期待できるのか?というと、血液をサラサラにして、固まりにくくしてくれるんですよ!なので、動脈硬化をはじめとした血管疾患(脳梗塞、心筋梗塞など)の予防に良いんですよ!
もちろん、きゅうりだけ食べてればいいというわけではないんですが、きゅうりも少なからず良い影響を与えてくれるということには変わりないですね!
ホスホリパーゼ
また覚えにくい名前ですよね(笑)
でも、このホスホリパーゼは酵素なんですが、女性には嬉しい効果があるんですよ!それは、脂肪を分解してくれるということなんです!
要するにダイエット効果が期待できるってことですね!まさかあの水分だけだと思っていたきゅうりがダイエットに良いなんて…思わなかったですよね(笑)カリウムはむくみにもいいですし、このホスホリパーゼは脂肪を分解してくれるって、やっぱり女性こそきゅうりを食べるべきですね!
また、酵素はすりおろすとより効果を発揮するので、おろし器を使ってじょりじょり卸して食べると良いですね!
シリカ(ケイ素)
シリカは、ケイ素とも呼ばれミネラルの一種なんです。化学を勉強したことがある人なら聞いたことがあるかもしれませんね。
このシリカなんですが、僕たちの身体の中にもたくさん含まれているんですよ。皮膚や爪、骨、毛髪、血管、細胞膜などさまざまなところで活躍してくれています。その中でも皮膚に一番含まれています。
そのため、このシリカが不足してしまうと、皮膚や毛髪などの成長や再生に影響が出てくるということなんです。
逆に言えば、シリカを過不足なく摂取していれば、健康的な素肌や強い骨、丈夫な髪の毛を維持できるということなんです!
カラダへの効果まとめ
では、一度きゅうりのカラダへの効果をまとめたいと思います。
- むくみ解消
- 脂肪を分解してくれる
- ガンの予防
- 血液をサラサラにしてくれる
- 水分補給になる
- 体温を下げてくれる
- 血圧をコントロールしてくれる
- 皮膚や毛髪の健康維持にも
こうやって改めて見ると、きゅうりのスゴさが一目で分かりますよね!特に女性には、むくみの解消や脂肪分解、皮膚や毛髪の健康維持などたくさんの効果がありますね!
また、ガンや血管疾患をはじめとした生活習慣病の予防にも効果が期待できますし、水分補給や体温を下げるなど夏バテ防止にももってこい!
「きゅうり=水分」だなんてバカにはできませんね(笑)
食べ合わせからみるカラダへの効果
もちろんきゅうりだけでも、栄養素は豊富ですし、カラダにも良いこと尽くめなんですが、他の食材と一緒に食べるとよりその効果を発揮してくれます。
ここでは簡単に食べ合わせからみるカラダへの効果をご紹介します。(プラス以降の食材を一つでも組み合わせればOKです!)
- 高血圧予防:きゅうり+たこ・ごぼう・のり
- 利尿作用(むくみ解消):きゅうり+納豆・わかめ・とろろこぶ
- 疲労回復:きゅうり+豚肉・梅干し・モロヘイヤ
- 骨粗しょう症:きゅうり+豆腐・イクラ・いわし丸干し
- 肥満防止:きゅうり+イカ・昆布・酢
という感じです。
きゅうりをそのまま食べるのも良いんですが、こうやって食べ合わせることで、きゅうりの良さをより引き立たせるので、ぜひいろいろな食材と一緒に食べてみて下さい!
きゅうりの選び方
きゅうりにいくら栄養素があって、美容や健康にいいとはいっても、選んだきゅうりが新鮮でもなくて、へにょへにょで美味しそうでなかったら嫌ですよね?どうせなら、新鮮で、美味しいきゅうりを食べたいですよね?
では、どんなきゅうりを選ぶべきなのか?というと、以下のポイントを重視してみてください!
- 重みがある
- ハリがある
- 表面の緑色が濃い(均一的な濃さのが良い)
- 太さが均一(曲がっていても良い)
- イボがゴツゴツしている
という感じです。曲がっているのは、日照時間や水分不足によってストレスを感じてしまうためなので、それほど気にする必要はありません。まぁ見栄えの問題ですね。
最近はイボイボがないきゅうりも売っていますが、どうせならイボがゴツゴツしている方が良いですね!
きゅうりの保存方法
きゅうりを収穫した後や買ってきた後、どうやって保存していますか?
もしかして、横にしたりしてませんか?袋から出してそのまま冷蔵庫に入れたりしてませんか?
それだとすぐにきゅうりが痛んじゃいますよ(;へ:)
少しでも美味しく、長持ちさせるなら、ポリ袋に入れて、冷蔵庫(あれば野菜室)に立てていれるようにしましょう!ほとんど水分でできている野菜なので、濡れた新聞紙などにくるんでおくのもオススメですね。
乾燥している場所は苦手なので、乾燥にだけは気をつけるようにしてください!
きゅうりのオススメの食べ方
ぬか漬け
ぬかを使うことで、きゅうりに含まれるカリウムは3倍になり、ビタミンB1、B2も増加すると言われています。また、お腹の調子を整えてくれる乳酸菌もたっぷり取れちゃいます!
なので、血圧が気になる方や便秘気味の方は、きゅうりをぬか漬けにして食べて欲しいですね!
このぬか床セットはオススメです!
ピクルス

きゅうりの酢漬けですね。
きゅうりをお酢と一緒に食べると良いこと尽くめなんです!肥満防止や血圧低下など生活習慣病の予防には最適ですし、お酢に含まれるクエン酸の効果も相まって疲労回復効果も認められています!これは取らずに入れらませんね!
ピクルスって作るの難しいと言うか、めんどくさそうですけど、切って、調味料入れて、放置でできちゃいますからね!(笑)
作り方はこちらです!(【切るだけ!】簡単ピクルスの作り方をご紹介します!)
干しきゅうりの和え物

干しきゅうりって知ってますか?
「え?あのきゅうり干しちゃうの?」「それ大丈夫なの?」って感じですよね?
それが意外と美味しいんですよ!水分がなくなるので、歯ごたえも変わりますし、青臭さが増すのでがっつりきゅうりの味や風味を感じられるんです。それにですよ、めちゃくちゃ甘くなるんですよ!これ意外ですよね。
作り方や食べ方はこちらです!(干しきゅうりの作り方と調理方法について。生では味わえないきゅうりの甘みやコクを感じることができました。)
きゅうりを食べる上での注意点
ということで、ここからはきゅうりを食べる上での注意点について書いていきますね。
食べ過ぎは身体を冷やす
夏で暑いから、きゅうりが体温を下げてくれるからといって、食べ過ぎてはいけませんよ!
食べ過ぎることで体温を下げ過ぎてしまう恐れもあるので、食べ過ぎには注意しましょう。適度に食べることでこそ、身体にとって適切な効果をもたらしてくれるんです。なので、効果があるからといって過剰に摂取することだけは控えてくださいね!
トマトと食べるとトマトのビタミンCが損なわれる
「え?トマトときゅうりって組み合わせちゃダメなの?」って思いますよね。サンドイッチでも見るし、サラダでもよく見る組み合わせですからね。
きゅうりをトマトと食べると、トマトの良さでもあるビタミンCが損なわれてしまうんですよ。この効果を相殺効果っていうんですが、良さを潰し合っているってことですよね。
もちろん身体にとって毒があるわけではありませんし、近年のこの相殺効果はないという結果もあるので、個人的には注意するほどのことではないと思っています。
先端は残留物質が残るので食べないようにする
きゅうりの先端って食べてますか?
あの部分って、農薬だったり、化学物質などが残りやすい部分なので、食べないようにしてくださいね!ただ切り落として、食べなければ問題ないので、こちらもそれほど心配する必要もないと思います。
さいごに
きゅうりって世界一栄養素がない食材みたいに言われるんですが、こうやってみると栄養素もたっぷりですし、食べやすくて、好き嫌いも少ないので、凄い野菜だと思います!
漬物にも、和え物にも、サラダにも、そのままボリボリでもなんでもありのきゅうりは、世界一食べやすくて、栄養素も兼ね備えた野菜だと思います!
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。