世界三大穀物の一つでもあるとうもろこし。
日本だとポップコーンやスイートコーンくらいしかなじみがないですが、なんとも脇役的存在ですよね…。
でも、とうもろこしの栄養素ってスゴいんですよ!糖質も含まれているので敬遠されがちですが、食べ過ぎなければ糖質は問題ありません。むしろ豊富な栄養素のためにも、とうもろこしを食べましょう!
とうもろこしの栄養素について
とうもろこし(可食部100g)の栄養素は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」36頁)
水分:77.1g
たんぱく質:3.6g
炭水化物:16.8g
カリウム:290mg
カルシウム:3mg
マグネシウム:37mg
リン:100mg
鉄:0.8mg
亜鉛:1.0mg
ビタミンB1:0.15mg
ビタミンB2:0.10mg
ビタミンC:8mg
食物繊維総量:3.0g
この中でも他の果物や食材よりも、とうもろこしが優れている栄養素についてみていきます。
糖質
日本では、とうもろこしをあまり主食として食べることはないですが、他の国では主食として食べられることもあってエネルギー源である糖質を豊富に含んでいます。
糖質は、脂質やたんぱく質と並んで三大栄養素の中の一つですが、脂質やたんぱく質とは違い体の調子を整えたり、体の構成する成分にはならず、エネルギー源にしかなりません。ですが、他の栄養素に比べもっとも効率よくエネルギー源に変換されることから、重宝される栄養素でもあります。
そのため、糖質が不足すると、ぼぉーっとしてしまい思考力が低下したり、疲労感や脱力感を感じるようになるので、過不足なく摂取する必要があります。ただ、必要以上に摂ると体内に蓄積され肥満や生活習慣病の原因にもなるので、食べ過ぎには注意が必要です。
ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えるために欠かすことができない栄養素が、この「ビタミンB1」です。そのため、米をはじめ、うどんやラーメン、パンなどを主食とする日本人にとっては、欠かすことができません。
ビタミンB1が不足してしまうと、糖質が効率的にエネルギーに変換されないために、体がエネルギー不足に陥ってしまいます。そのため、イライラしてしまったり、疲労感や脱力感を感じやすくなってしまったり、慢性的な不足状態が続いてしまうと、足がしびれたりむくんでしまう脚気(かっけ)や、ウェルニッケ脳症という病気を発症する恐れもあります。
ビタミンB2
糖質だけでなく、脂質やたんぱく質を含む三大栄養素すべての代謝をサポートする「発育のビタミン」と呼ばれるのが、ビタミンB2です。
三大栄養素をエネルギーに変換することはもちろんですが、たんぱく質から細胞の再生や新生を促すことで、子どもであれば成長を促進したり、皮膚や粘膜の健康維持にとっても必要不可欠な栄養素なんです。
そのため、ビタミンB2が不足してしまうと、口内炎や口角炎などの口に病気や、皮膚の炎症などを起こしやすくなってしまいます。
また、ビタミンB2は、水に溶けやすい水溶性の栄養素なので、過剰に摂取しても尿や汗として排泄されるので、過剰摂取に対して心配する必要はありません。
ビタミンE
強い抗酸化作用を持つビタミンEもとうもろこしには豊富に含まれています。ビタミンEは、体内で他の細胞が酸化してしまう前に、自らを酸化させることで、他の物質が酸化されることを防いでくれて、細胞を守ってくれます。そのため、老化や動脈硬化などの予防に効果があるとされています。
また、血行改善や生殖機能の維持にも効果が認められていて、特に末梢血管を拡張させることで血行を良くしてくれたり、性ホルモンの生成にも深く関わっています。
カリウム
カリウムは、塩分の主成分であるナトリウムとバランスを取り合う関係にあります。そのため、体内でナトリウムが過剰になれば、尿や汗として排出を促進する役割を担っており、高血圧の予防や筋肉の動きをコントロールしてくれたりしまう。
また、体内の余分な水分を排出させてくれるので、特に女性が悩んでいるむくみの解消にも良いとされています。
カリウムは、どの食材にも多かれ少なかれ含まれているので、基本的には不足することはありませんが、お肉だけを食べるなど偏った食生活をしていると不足してしまう栄養素です。不足してしまうと高血圧になったり、筋肉にエネルギーが補給できなくなり、筋力低下などを起こしてしまいます。
一方で、食べ過ぎても問題はありません。ただし、腎臓に問題を抱えており、排泄がうまくできない場合は、胃腸障害や不整脈などの高カリウム血症を起こす可能性もあるので注意が必要です。
食物繊維
食物繊維は、以前は不要な栄養素だと考えていました。ですが、近年は、第六の栄養素として、便のかさを増したり、糖質の吸収を遅らせたり、コレステロールの排出を促進したりと、肥満や生活習慣病の予防には欠かすことができない栄養素として認められています。
糖質も含み、食物繊維も含むとうもろこしって生活習慣病に対して良いの?悪いの?って思うかもしれないですが、個人的には食べ過ぎなければ、体にはいい食材だと思います。いくら食物繊維がたくさん含まれているからと言って、食べ過ぎてしまえば、消化されなかった糖質は蓄えられるわけですし、それが生活習慣病の原因にもなるので、適度に食べることをオススメします。
アスパラギン酸
アスパラギン酸というと、アスパラガスにしか含まれていない感じがしますが、とうもろこしにも意外と含まれているんですよね!スタミナ強化や疲労回復をうたったドリンク剤にも、このアスパラギン酸は配合されています。
エネルギー代謝に関わっていたり、毒素を排出してくれたりというこうかを持つことから、疲労効果があるとされているんですが、他にも免疫力を上げてくれたり、美容にも効果があるとされています。
ただし、アルコール代謝を阻害してしまうので、お酒などアルコールを含む飲物とは相性があまりよくありません。
β-クリプトキサンチン
β-クリプトキサンチンは、みかんなどのだいだい色の食材に含まれる色素成分です。
β-クリプトキサンチンの主な役割としては、骨の健康維持が挙げられます。そのため、閉経後の女性に特有の骨粗しょう症の予防にも効果があります。
また、糖尿病の予防だったり、免疫力の上昇にも役立つなどさまざまな効果を持っています。
ゼアキサンチン
ゼアキサンチンも、緑黄色野菜に幅広く含まれる色素成分の一種です。
強い抗酸化作用を持っていて、目の健康維持に深く関わっています。加齢や活性酸素が原因で視力が低下してしまう黄斑変性症や水晶体が活性酸素により白く濁ってしまい徐々に見えにくくなる白内障を予防する効果があるとされています。
買ったら即食べるべし!
どんな野菜でもそうですが、とうもろこしは特に収穫後からどんどん甘さや風味が落ちる食材です。もちろん収穫後そのまま焼いたり、茹でたりして食べれたら良いんですが、そんな人は少ないですよね…(笑)
なので、スーパーなどで買った場合は、すぐに食べるか、食べないのであれば茹でて、ラップで包んで冷凍しておくことをオススメします。
冷凍しておけば、それほど甘さや風味が急激に落ちることもなくなるのでオススメですが、冷凍期間が長いと美味しくもなくなるので、冷凍してもなるべく早く食べましょう!
さいごに
とうもろこしの栄養素はいかがだったでしょうか?
意外とスゴくないですか?たしかに食べ過ぎは糖質のとり過ぎにもなりますし、栄養素もただ摂ればいいというわけではないですが、適度であればむしろ体にはいいと思いますので、ぜひ、旬である夏には茹でたり、焼いたりしてそのまま食べましょう!
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。