最近は女性を中心に食べる機会が増えているアボカド。
あのヌメッとした感じやにおいや味が苦手という人がいる一方で、むしろ「それが好きだ!」という人もいますし、「なんとなく栄養価が高いから!」という理由で食べている人も多いですよね!
アボカドは森のバターとも呼ばれていますし、世界一栄養価が高いとしてギネスにもなるくらい栄養素も豊富ですし、含有量も凄いんですよ!今回は、そんなアボカドの栄養素にフォーカスを当てて、カラダにどんな効果があるのか?美味しいアボカドの選び方って?保存方法はどうするの?ということについて書いていこうと思います。
アボカドって何?果物なの?野菜なの?
アボカドって果物なのか、野菜なのかよくわからない食材ですよね。スーパーに行けば、野菜コーナーに置かれているし、でも、調べてみると果物の欄に出てくるしと、よくわからない食材です。(まぁ正直どっちでもいいんですが…w)
一応分類としては、「果物」に属しています。これにもちゃんとした分け方がありまして、「木になっている果実だから」果物なんですよ。日本で栽培されない食材なので、アボカドがどうやって実っているのかを知っている人は少ないと思いますが、木に実っているんですね。

なので、木になる果実として、果物に分類されるんです。
アボカドの栄養素について
アボカド(可食部100g)の栄養素は以下の通りです。(参考「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」190頁)
エネルギー:187kcal
脂質:18.7g
炭水化物:6.2g
カリウム:720mg
リン:55mg
鉄:0.7mg
ビタミンE:2.07mg
ビタミンB1:0.10mg
ビタミンB2:0.21mg
ビタミンB6:0.32mg
葉酸:84μg
パントテン酸:1.65mg
ビタミンC:15mg
食物繊維量:5.3g
見てもらえばわかるとおり、アボカドには豊富な脂質が含まれていて、「森のバター」とも呼ばれているのにも納得がいきますよね!何かと脂質・脂肪分に目がいきがちなアボカドですが、もちろん脂質以外にも豊富な栄養素はたくさんあるんです!
脂質を含め、アボカドの中でも特筆すべき栄養素について書いていこうと思います。
脂質(全般)
脂質と聞くと、「デブのもと…」と考えてしまいますよね。でも、脂質も人間のカラダにとっては必要な栄養素の一つですし、種類によっては血管疾患の予防やガン予防、抗酸化作用などもあるので、意外と侮れません。
もちろん1gあたり9kcalもあるので、取り過ぎは太る原因にも、血管が詰まる原因にもなるので注意は必要ですが。
そんな脂質を豊富に含んでいるのが、このアボカドなんです。含有量だけなら、野菜や果物の中ではトップクラスです!そして、ただ豊富に含んでいるだけではなく、カラダにとって嬉しい効果のある脂質を含んでいるんです!そんな嬉しい効果をもたらしてくれるのが、不飽和脂肪酸のリノール酸とオレイン酸なんです。
脂質(リノール酸)
リノール酸は、人間の体内では合成することができない脂質で「必須脂肪酸」の一つです。効果としては、中性脂肪値や悪玉コレステロールを減らすとされています。また、皮膚の健康を維持してくれるため、肌の保湿や抗炎症作用などの効果もあるとされています。
このようにみると「たくさん摂ろう!」と思ってしまうかもしれませんが、過剰摂取には注意が必要です。
というのも、リノール酸は、適量であれば悪玉コレステロールや中性脂肪を減らしてくれますが、過剰に摂取してしまうと、肥満だけでなく、善玉コレステロールも減らしてしまい、むしろ動脈硬化やガン、アレルギーなどを促進してしまう恐れがあるからです。
リノール酸は、ごま油やキャノーラ油などにも含まれているので、偏った油の使い方をしていなければ、不足することはありません。なので、アボカドを食べ過ぎるなどして、リノール酸を摂りすぎないように注意しなければなりません。
脂質(オレイン酸)
オレイン酸も不飽和脂肪酸の仲間であり、オリーブオイルやピーナッツ、アーモンドなどに含まれている脂肪です。オレイン酸も他の不飽和脂肪酸と同じように血中コレステロールを減らす効果を持っていますが、他の脂肪酸と違うのは「酸化しにくい脂肪酸」であるということ、そして、悪玉コレステロールだけを減らしてくれるということです。
そのため、血液をサラサラにしてくれ、動脈硬化や心疾患などの血管疾患に効果があるとされています。
また、オレイン酸は、皮膚を柔らかくしてくれる効果を持ち、肌を若返らせてくれるとも言われています。リノール酸も肌に効果があるので、女性にとっては嬉しい効果がたくさんですね!
カリウム
カリウムは、体内の余分なナトリウムを尿や汗として排出することで、ナトリウムとのバランスを取り合っています。そのため、高血圧の予防はもちろんのこと、余分な水分も排出されることでむくみにも効果があるとされています。
また、筋肉の働きをコントロールしていて、カリウムが不足してしまうと、筋肉に必要なエネルギーが補給されなくなってしまい、筋力低下を起こしてしまいます。ですが、バランスよく食事をしていれば、不足することがない栄養素なので、心配する必要はありません。
過剰摂取については、腎臓機能が低下していて、排泄が困難な人は、高カリウム血症担ってしまう恐れがあるので注意してください。
ビタミンB1
ビタミンB1は、ごはんやパンなどの糖質を主食としている日本人にとっては、必要不可欠な栄養素です!それは、ビタミンB1が、糖質のエネルギー代謝に欠かせない栄養素であり、不足してしまうとエネルギー代謝が行なわれず、カラダがエネルギー不足を起こしてしまい、イライラしたり、集中力が低下したり、脱力感を感じてしまうからです。
もちろんカラダに限らず、脳にエネルギーが供給されるように働きかけることで、脳や神経の機能の健康維持をしています。
生活習慣病や肥満の予防はもちろんですが、食事も適度に食べてダイエットしたいと思っている方には最適な栄養素なので、不足なく摂るようにしてください!
ビタミンB2
ビタミンB2は、糖質だけではなく、脂質・たんぱく質も含めた三大栄養素の代謝に関わっています。とりわけ、脂質の代謝に関わっているので、脂っこいものが好きな人や、ダイエット中の人には、オススメの栄養素ですね。
また、「発育のビタミン」とも呼ばれていて、たんぱく質の合成にも関わっています。そのため、皮膚や粘膜の健康維持をしており、肌荒れやお口トラブルなどに効果があるとされています。その一方で、不足してしまうと、口内炎などを引き起こしますし、子どもであれば成長障害を引き起こすことがあるので注意しましょう。
ビタミンB6
ビタミンB6も代謝に関わっています、こちらはたんぱく質の代謝です!食べた食品の中に含まれるたんぱく質は、分解、吸収、そして、再びたんぱく質に合成されますが、このほとんどの過程に関わっているのが、ビタミンB6なんです。
なので、たんぱく質をたくさん摂る人をはじめ、成長期にある子ども、妊娠中の人などは、たくさん摂る必要がある栄養素の一つです!
また、嬉しいことに腸内でも合成されているので欠乏症の心配もないですし、過剰摂取に付いても一度に大量に摂ったり、継続して過剰摂取しないと見られないので、安心して食べられる栄養素なんです!
ビタミンE
ビタミンEは、強い抗酸化作用を持ち、体内の脂肪酸が酸化されることを防ぐことで、細胞の健康を守っています。そのため、動脈硬化をはじめとした生活習慣病の予防や老化防止に効果があるとされています。
また、末しょう血管を拡張させることで血行改善を促進したり、生殖機能の健康維持にも効果があるとされています。
葉酸
葉酸は、名前にビタミンが入っていませんが、ビタミン類の一種で、新しい赤血球を作り出すのに必要不可欠な栄養素なんです。そのため、「造血のビタミン」とも呼ばれていて、不足してしまうと貧血の原因になるので注意しましょう。
また、新しく細胞を作り出すことにも深く関わっています。そのため、細胞分裂が活発である胎児や幼児期には欠かせない栄養素であり、妊娠中の人はもちろんのこと、これから妊娠を望む人には、ぜひ意識して摂って欲しい栄養素ですね。
グルタチオン
グルタチオンは、動植物の細胞の中に含まれていて、生きていく上では必要不可欠な成分です。優れた抗酸化作用を持っていて、細胞の老化を防ぐことで、肌のシミ予防や、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防に効果があるとされています。
また、肝臓で有害物質を解毒するときにも使われていて、過不足なく摂ることで肝機能の向上が期待されています。
食物繊維
アボカドは見た目や食感ではわかりにくいですが、食物繊維が豊富に含まれている食材なんです。特に、水に溶けにくい不溶性の食物繊維を豊富に含んでおり、便秘の解消や大腸がんの予防に効果があるとされています。
また、少なからず含まれている水に溶けやすい水溶性の食物繊維は、血糖値の上昇を防いだり、コレステロールの吸収を抑えるなどの効果があり、生活習慣病の予防に良いとされています。
アボカドのカラダへの効果まとめ
では、ここで一度アボカドのカラダへの効果をまとめようと思います。
- 老化防止
- 脳の活性化
- ガン予防
- 生活習慣病の予防
- 貧血防止
- 生殖機能の健康維持
- 爪、骨、皮膚の健康維持
- 免疫力アップ
- スキンケア効果
- むくみ解消
という感じです。
女性に好まれるアボカドだけあって、女性にとっては嬉しい効果が盛りだくさんですね!スキンケアをはじめ、肌や爪、髪の毛の健康維持にはもちろんですし、むくみ解消などもあるのでこれからも積極的に食べましょう!
また、生活習慣病や老化防止、ガン予防などにも効果が期待されているので、嫌いでなければ男性も食べましょう!
食べ合わせからみるカラダへの効果
アボカド単体でも、相当カラダにとって効果があることがわかりますよね!でも、アボカドだけで食べるってあんまり想像がつきにくいと思います。では、アボカドは、他の食材と組み合わせると、カラダにとってどんな嬉しいことがあるのでしょうか?
- 動脈硬化予防:アボカド+ホタテ貝・大豆・小松菜・レモン・リンゴ・イチゴ
- 高血圧予防:アボカド+インゲン豆・マグロ・アーモンド
- 貧血予防:アボカド+クレソン・カリフラワー・カツオ
- 免疫力アップ:アボカド+うなぎ・キウイ・カニ
- 疲労回復:アボカド+豚肉・玉ねぎ・水菜
- 美肌効果:アボカド+鶏手羽・トマト・アスパラガス・きのこ類・卵
- 老化防止:アボカド+牛肉・赤ピーマン・ブロッコリー・アスパラガス・パイナップル
- 脳の活性化:アボカド+卵・レモン・鮭
という感じです。
手っ取り早いのは、クレソンや水菜、トマト、アスパラガス、玉ねぎ、赤ピーマンと一緒にサラダにして、レモンや卵などをつかったドレッシングで食べるって感じでしょうか?
お肉に巻いて焼いても良いですし、ペースト状にしてスティック野菜を付けて食べたりしても良いと思うので、ぜひ、いろいろな食べ方を工夫してみてください!
一日どのくらい食べると効果的なのか?
世界一栄養価の高い果物としても有名なほど栄養価も高く、また栄養素も豊富に含んでいるアボカドですが、脂質を多く含みカロリーも高いので食べ過ぎには注意が必要です。
一個150gとした場合、約270kcalのエネルギーとなるので、食べ過ぎは肥満の原因にもなってしまいます。そのため、一日多くても1個、理想を言えば半個くらいが良いと思います。
栄養価が高い、栄養素が豊富だからという理由で、食べ過ぎてしまう人がいますが、それではむしろ効果もなくなりますし、カラダにとっても良くないと思うので、どの食材もそうですが、適度な量に留めましょう!
美味しいアボカドの選び方について
アボカドの選び方って野菜や果物の中でも群を抜いて難しいです。間違えて選んでしまうと、固すぎて切りにくかったり、中がぐちょぐちょだったり、最悪真っ黒なんてこともあったりしますよね…。なので、良いのに当たると嬉しいんですよね(笑)
もちろん100%の確率ではないですが、少しでも美味しいアボカドを選ぶにはどうすればいいのか?ポイントをまとめてみました!(2〜3日以内に食べきることを前提にしています)
- 形がきれいな長球形
- 色が鮮やかなもの
- 皮にハリやツヤがある
- 触った感じ適度な弾力がある(柔らかすぎると熟し過ぎ、固すぎるとまだ熟していない)
- ヘタが付いている
- ヘタと皮の間にすき間がないもの(あると未成熟のものが多い)
という感じです。
ヘタが過度に柔らかいと酸化している恐れがありますし、皮が黒っぽく、シワシワしているものは果肉に含まれる脂が酸化して、味や風味が落ちている可能性があるので、選ぶのを避けましょう。
アボカドの適切な保存の仕方とは?
まだ固くて、熟していないアボカドについては、常温で保存してください。そうすることで徐々に熟成していくので、前述のような状態になったころが食べ頃です。
また、ある程度熟している場合は、ビニール袋やポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう!もし、切ってしまい使い切れない場合は、タネのある方を残し、レモン汁をかけてラップに包み切り口が空気に触れないようにして、冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
さいごに
アボカドの栄養素はいかがだったでしょうか?
思っていた以上に凄くないですか?僕もアボカドは凄いってわかってはいたものの、こうやった改めて書き出してみて、凄さを再認識しました。生活習慣病はもちろんですし、美容や老化にも良いなんて凄すぎですよね!
もちろん食べ過ぎはよくないですが、定期的に食べておきたい食材の一つだと思いますね!
また、カラダへの影響については個人差があります。くれぐれも食べ過ぎには気をつけるようにしてください。